エミリオ・インソレラ
執筆:Leonard Broersen
映画監督のエミリオ・インソレラは、エンターテメントとドキュメンタリー性を備えた映画を制作するにあたり影響を受けた人々の母国に住み、まさに自身の望んだ人生を歩んでる。
エミリオ氏はアルゼンチンに生まれ、イタリアで育ち、アメリカで教育を受け、そして過去2年間は日本に住んでいる。エミリオ氏の映画制作会社” Pluin Productions”では可能な限り多くの「手話言語コミュニティー」を世間に知らせる事を目標としている。エミリオ氏は「視覚コミュティー」と呼ぶ方が好ましいと言う、このコミュニティーは障害者と区別され、同情されることを望まない新しい世代である。“Pluin Productions”はスレレオタイプの象徴と言えるであろう、ろうの生徒と教師が恋に落ちるという内容の80年代の映画「愛は静けさの中に」(のちにエミリオ氏は明らかに聴覚者により指導されているだろうと教えてくれた)と全く反対の長編映画「サイン・ジーン」を制作している。映画では、手話の方言まで100%正確に「視覚コミュニティー」を描いているという。筆者は今まで手話に方言があるとは知らなかったため、驚いたのだが、手話の話者から見ればイタリアの南や北の方言まで分かるそうだ。映画で手話を話しているように見せかけている俳優も、話者からすれば、見せかけているという事は一目瞭然だそう。これは手話を話すものにとって、とても腹立たしいものでる事には違いない。エミリオ氏の目標はこういった問題を正す事であると言う。
映画サイン・ジーンの制作は波紋を呼び、あるイタリア人言語学者は「視覚コミュニティーの積極的行動を象徴している」と言及している。
手話を使って様々な超能力を使う事ができるろう者が映画の主人公だ。
元々は短編映画で始まったが、参加したいとの申し出が相次ぎ、エミリオ氏は長編映画へ切り替えを決めたという。エミリオ氏は” Deaf Space”や” Viable and Deaf Japan”、カゴメからの出資を映画制作に1円足りとも残さず、全て注ぎ込んだとの事。
筆者は予告編を見させていただきましたが、ヘリコプターによる空中撮影や武道シーン、特殊効果は低予算のクオリティを遥かに超えているとの印象を受けました。
ヤマモトカズユキ、ババヒロシ、ダニー・ゴング、チョン・チェンを始めとするたくさんの専門家や俳優、プロダクションの方々全員に感謝し、今からは映画のサウンド作りを始める予定であるとエミリオ氏は話してくれました。
撮影はこれで終了し、”Pluin Productions”は今から映画の最後の仕上げを行うため、サウンドエディターや音楽家を探しているそうです。
来年、様々な国際映画祭で上映される予定の映画に参加出来るだけではなく、あなたの技術を国際的なメディアに知ってもらえるチャンスでもあります。
エミリオ氏はアメリカや日本のテレビ番組にも出演しており、間もなく朝日新聞にも掲載される予定です。
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